「長いこと生きたもんだ…」
ため息交じりに母が呟く。
ホントにね〰、とため息交じりに私も頷く。
御年93歳。
認知症で足元はおぼつかないが口の回転は速い。
「何の楽しみもない」
いやいや、そもそも死ぬまで面白可笑しく生きようなんて無理があるでしょ。
「生きるのもそろそろ疲れたわ」
と言う割には美味しそうに好物のお寿司を頬張ってるじゃない。
この食欲が間違いなくこの人を支えてるんだわ
「長いこと生きたもんだ…」
あれあれっ…💦 また無限のループに突入か…!?
こうやって、いつも同じ話が繰り返される。
言った本人はすっかり忘れてるからいいものの、何度も同じ話に付き合わされるこっちはたまったもんじゃない。
先日の長谷川式認知症テストでは30点中7点だった。
てことは、100点満点中の23点…?
えー、それってもう、人間落第じゃん!!
遠慮なくそう言ってやると、
「あはははは!」
珍しく声を上げて母が笑った。
この人は間違いなく100まで生きるなあ…。
だってすこぶる元気だもの。
その時、ふと思ったのよ、
「100まで生きたらどうしよう!?」…と。
いえ、母親じゃなく、私が。
何たって目の前に生きた見本がある。可能性は非常に高い。
そんなに長生きしたくないし、するつもりもない!って思っちゃいるけど、生きちゃったら仕様がない。
「死ぬわけにも行かないしねえ」
常々母もそう言ってるじゃないか。
しかし100歳まではあと32年。…長い。…長いなあ。気力体力が先細りのその先に、一体どんな未来が待ってると言うのか?
よーく観察すると母親を一番悩ませているのは退屈だ。
自分で思うように生きられないジレンマと変化のない毎日にジタバタしている。
それなら、私はハイテクを駆使して生き抜くぞ。PCとスマホがあればショッピングだって出来るし、Google earthで旅にだって行ける!
それにブログだって、その気になりさえすれば…
そうだ! ブログを始めよう…
100歳まで続くブログを始めよう!!♡
退屈でシニソウダ、と言わないために。
何の楽しみもない、と言わないために。
そう思ったら、ちょっとだけ100まで生きる気力が湧いた。
あと32年。
今日が、その第一歩。
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